受講者の声:参加学生(田中翼さん、塩谷明美さん)インタビュー
平成26年度、カーメイト様の課題に対する演習の最終発表を終えたところで、参加学生2名(田中翼さん、塩谷明美さん)に授業担当教員の山田が話を聞きました。
- 山田(インタビュアー)
- 今回、演習ではカーメイト様の正解のない課題をテーマに皆さん取り組みましたが、塩谷さんは企業の中に所属していて、正解のないものに取り組むという経験についてはいかがですか?
- 塩谷
- 今までは一人の技術者として、自分が担当している仕事の範囲の中でどうなのかということを求められることが多かったのですが、最近はどのようにしていけばこの事業は拡大できるのかという意見を求められることが増えてきているので、ちょうど仕事ともオーバーラップするところでした。
- 山田
- まさしく求められつつあるところであったということでしょうか。
- 塩谷
- そうですね。
- 山田
- そのように正解のない課題への対応が求められつつある状況にあって、塩谷さんは例えば社内の研修等でそのような課題解決や課題の発見ということについて学んだということはありますか?
- 塩谷
- 私は今入った会社が1社目なのですが、入社時に「技術的なことについてはまずは文献で自習し、あとは経験の上で学びましょう。」と勧められました。ただ、新人の頃は不安だったので課題解決に関するビジネス書などを自分で読んでいて、講義で扱ったフレームワークなども知識はあったのですが、なかなか実務に繋げられないことが多かったです。しかし、今回の演習ではそういったものを実践するということがためになりましたし、経験することの重要さを感じました。
- 山田
- そうして演習を経て学んだ結果として、実際に仕事に生きたことはありますか?
- 塩谷
- 勤め先がちょうど事業の転換期を迎えていまして、私は担当ではなかったのですが、「私がやります」と言って手を挙げて、はじめたことはひとつあります。
- 山田
- 自ら手を挙げてというのはすごいですね。
そのように手を挙げて取り組んだことが何か成果につながるといいですね。 - 塩谷
- そうですね。
- 山田
- それでは、続いてグループワークという点についてお伺いしたいと思いますが、演習のグループワークはいかがでしたか?
- 塩谷
- 私は、チームでということに本当に苦手意識があったので、演習の始めにグループワークと言われてどうしようかと思いました。
- 山田
- 実際やってみてどうでしたか?
ある程度グループワークでこういうものかとわかったところもありましたか? - 塩谷
- ありましたね。
うちの会社の場合、専門分野の中でやり合う時には、こちらがいくら強く反論しても、相手が正しいと思うことを言い返してくるので、お互いに納得するまで続けるという文化が少しあります。しかし、今回の演習を経験して、私の会社と同じように強く言い合いするだけではうまくいかないということがわかりました。強く言い合うというのは、周りの人に対して意見を挙げにくくさせてしまいます。
そういった点を踏まえて、仕事でも後から来た子とかもしゃべりやすいように、全体として意見が出やすい場にし、議論が成り立つように気をつけたということはあります。
あと、演習のメンバーは私の会社にはいない、あまり仕事で接する機会のないタイプの方が多かったです。しかし、お客さんでそういう方が来られるかもしれないですし、会社の外で仕事する機会が訪れるとそういった色々な人と折り合いをつけていくということがあるかもしれない。もしかしたらそうしたことの訓練になっていて、前よりうまくできているということがあるかもしれないですね。 - 山田
- そうですか、普段の仕事とはまた違った刺激があったようで良かったですね。
塩谷さんありがとうございました。
それでは、続いて田中さんにお聞きしたいと思います。
田中さんはこの演習に取り組むこととは別に、これまで社内の研修等で課題発見や課題解決について学ぶということはありましたか? - 田中
- 私は現在3社目で、本当に小さいベンチャーの会社でずっときて今大きな会社なのですが、改めて研修というのは受けたことありませんでした。仕事上で失敗したり苦労しながらやってきた中で学んできたぐらいで、ようやく今の会社になって年に一回外部のセミナーに行くことが仕事の一環として定められるようになったので、研修を受け始められたというところです。
- 山田
- なるほど。それでは演習について実際に取り組んでみていかがでしたか?
- 田中
- どこのチームを見ていてもそうですが、皆協調性があってみんなで進めようという人ばかりではなく、個性の強い方々も多く、なかなか仕事していると出会えない人もいるので、色々な人がいるのは楽しかったです。
ただ、メンバー同士少しぶつかり合ったこともあって、まとめるのは大変でしたね。今回のテーマはざっくりとした題に対して皆で決めていかないといけないので、その辺りも苦労したところです。 - 山田
- 田中さんは演習でリーダーをされていましたよね。
- 田中
- はい。すごく練習になったというか、仕事では後輩であればやれと言えるのですが、そういう関係ではなく同レベルで言い合うということで難しさを感じながら良い経験になったのかなと思います。
- 山田
- 今回グループメンバーをどのように納得させるかという点や、あるいは納得しなくても進めなければいけないところはあったと思いますが。
- 田中
- 今回その点について、私は弱いところがありました。
極力みんなの意見を汲もうというところがありまして、多少強引にでも私の意志で強く決めるということが仕事でもできないところはあるので、そういう自分をあえて知るという意味でも良い授業だったかなと思います。 - 山田
- そうですか。ちなみに、今回演習を受けた結果として、仕事をしていて意識として変わったなということはありますか?
- 田中
- 仕事を効率よくやるのに、講義でのフレームワークを採用しつつ、みんなに適用する前に自分でまずやってみていて、良ければチームに共有しようかなと思って今やっています。中々運用まではできていないのですが、良いものは取り入れたいなと思って色々やっています。
- 山田
- なるほど、授業や演習での取り組みが今後一層仕事に生かされてくるといいですね。
お二人ともありがとうございました。 - 塩谷、田中
- ありがとうございました。